シーズン17の調整内容(一部)まとめ
ダメージのロールパッシブ「回復阻害」の強化
回復阻害量が25%→30%に増加
※タンクへの効果は半減するため、12.5%→15%の増加
自動回復パッシブの待機時間が延長(全キャラ)
自動回復までの待機時間が5秒→6秒に延長
※サポートは待機時間が半減のため、2.5秒→3秒に延長
バスティオンのサイズ縮小
バスティオンのサイズが10%縮小されます。
→ヒットボックスが小さくなるため、生存力が向上。
※開発者コメント:※サイズの縮小は難しく導入が困難だったため、バスティオンの調整は調整班にとっては特別なものとのこと。
ジャンカー・クイーンの「コマンディング・シャウト」の調整
味方に与える追加ライフを重視した調整が追加予定
→アビリティの軸足が味方の強化に移ることで、ジャンカー・クイーンがオフェンス系のタンクとしての実用性向上が期待できる
ファラのマイナーパーク「ヘリックス・シールド」
ゲームプレイ面の快適性向上を目的とした調整が追加予定
ライフウィーバーのマイナーパーク「浄化の手」
ゲームプレイ面の快適性向上を目的とした調整が追加予定
フレイヤは調整なしの注視
「クイック・ダッシュ」と「アップドラフト」ナーフ後に勝率とBAN率が安定したため、調整は無く注視に留まる。
→バランスが崩れていたりストレスフルな状況が続いていた場合は適宜検討する予定
マスター以上での勝率・BAN率
5月30日のナーフによって一時的に50%を割っていたが、以降で再び50%超えとなっている。
直近BAN率は90%超え実装から右肩上がりに急上昇している。ナーフ後もBAN率は下がることなく非常に高い水準のまま。
ソンブラは調整が難航
ソンブラの変更案はまだ検討中。
→ソンブラはBAN率がPC、コンソール問わずにかなり高めだが、ソンブラが抱えている問題は複雑ですぐに解決できない。
以下は公式で公開された記事内容です。
1週間を振り返る:バランスの維持
引用元: https://overwatch.blizzard.com/ja-jp/news/24214498/1週間を振り返る-バランスの維持/皆さん、こんにちは!今回は私、アソシエート・ヒーロー・デザイナーのスコット・ケネディが、開発チーム内で常に意識している要素の1つでもある「バランス調整」についてお話しします。
「オーバーウォッチ」コミュニティでもたびたび熱視線を集めるこのバランス調整ですが、ゲーム本編へと実際に導入する際には入念な考慮が必要です。ヒーロー別、ゲーム全体両方のバランス調整に至るまでのプロセス全体をこの記事で少しだけご紹介したいと思います。シーズン17で導入する新調整の内容もちょっとだけお教えするので、こちらもどうぞお楽しみに。それでは、本題に入りましょう。
データとフィードバックに基づく調整
これまで「1週間を振り返る」と「ディレクターの視点」の記事を読んできた方ならもうご存じかと思いますが、私たちにとってデータは大の好物です。
「OW2」に導入しているバランス調整の一部は、ピック率や勝率のような具体的に数値化されたデータに基づいています。私たちチームは各ヒーローの勝率を45~55%の範囲内に収められるよう努めており、この範囲を逸脱するヒーローが現れた場合、そのヒーローを要改善と判断します。「各ヒーローがシチュエーションを問わず活躍できる環境を整える」というよりは、「状況を問わず“悪手”となるようなヒーローが出てこないようにする」という目標に基づいて調整している、と表現するのが適切かもしれません。
先日導入した「ヒーローBAN」は、開発チームの新たなデータソースとなっただけでなく、バランス調整チームが皆さんの声をデータとして直接聞く手段としても機能しています。もし、高いBAN率を誇るヒーローが現れれば、そのヒーローはかなりの数のプレイヤーにとって悩みの種であることがはっきりとわかるので、該当するヒーローとの交戦時におけるゲームプレイをよりピンポイントに近い形で改善できるでしょう。
もちろん、収集したデータの文脈を整理することも、必要な変更を洗い出すうえで重要です。たとえば、ウィドウメイカーのBAN率はHAVANAのようなスナイパーが活躍するマップで突出していますが、これはリスポーン直後のヘッドショット・キルを避けたい一部プレイヤーの意見が反映されたに過ぎず、早急な対応が必要という訳ではありません。
逆にフレイヤは、ヒーローBANのデータに基づいて私たちが改善したヒーローの最たる例でしょう。彼女の勝率は正式デビュー当時まだ低く、私たちはフレイヤの影響力を高めるべく彼女の一部アビリティを強化しましたが、皆さんがフレイヤに馴染んでいくにつれて、彼女の高スキル帯におけるBAN率は、ダイヤモンド以上のランク、それも複数の地域でトップを誇るほどに急上昇していきました。
私たちはデータから問題点を見つけた後、皆さんのフィードバックに基づいて問題の根源――該当するヒーローのマッチにおける印象――を詳しく調べていった訳ですが、フレイヤの場合、コミュニティから「空中で展開している間のダメージ出力が安定しすぎていて、彼女の脅威度が大きい」という意見が特に多く挙がっていたので、この声をもとに必要な調整を考案していきました。
この時の成果が、「クイック・ダッシュ」と「アップドラフト」の2つの移動系アビリティのクールダウンを伸ばすと同時に、ダメージ出力安定の一因となっていたメイン攻撃のリロード速度を遅くする例のバランス調整です。調整の程度は控えめですが、フレイヤのダメージヒーローとしての高いポテンシャルはそのままに、対戦時の脅威度を減らせたので、その後彼女の勝率とBAN率は安定しました。今後もフレイヤの各データを注視し続け、彼女のバランスが崩れていたり、交戦相手としてストレスフルな状況が続いていたりする場合は、適宜検討するつもりです。
こうした改善例がある一方で、要改善がデータから明白にもかかわらず、明確な改善策をなかなか導き出せないヒーローや、考案した対策をすぐに導入できないヒーローもいます。たとえば、ソンブラのBAN率はPC版、コンソール版を問わず複数の地域でかなり高めですが、彼女に対する変更案はというと、まだチーム内で検討中です。ソンブラが抱えている問題は、その複雑さゆえにすぐに解決できるようなものではありませんが、バランス調整チームが注視しているという点はここで明言しておきましょう。
思考のスケールを広げながら
バランス調整の判断材料はデータだけでありません。ヒーローをプレイした際の面白さや、ヒーロー/アビリティの扱いやすさ、ヒーロー同士の性能面での差といったゲームプレイ面の要素も重要です。そして、こうした要素一つひとつを注視することもあれば、一歩引いて、俯瞰視点からゲームプレイを検証し、ゲーム全体の調整を加えることもあります。
次のシーズン17では、そんなゲーム全体に関わる調整をいくつか導入します。まず、ダメージロールが持つパッシブ回復の阻害量が25%から30%に増えます。これは、ダメージヒーローがサポートヒーローの大量回復と対等に渡り合える環境を整えるための変更です。そのパッシブ回復が始まるまでの基本所要時間も、受けたダメージの影響力を大きくする狙いで、5秒から6秒へと増えます。
シーズン17で導入するヒーロー別のバランス調整もご紹介しましょう。新シーズンでは、サバイバビリティの改善を目的として、バスティオンのサイズが新シーズンの開幕と同時に10%ダウンします。
実を言うとこの調整は、私が去年ヒーロー・デザイン・チームに加わってから最初に提案したバランス調整のアイデアから発展したものです。バスティオンは高ダメージ出力を誇り、かつライフ値、アーマー値ともにダメージヒーローの中では最多。にもかかわらず、その身体の大きさからサバイバビリティに欠けるという難点を抱えています。この少し突飛ともいえる案は、そんなバスティオンの問題に対処するためのものでした。
もちろん、サイズの縮小は難しいと提案した当時から言われていて、実際に至難の業だったのですが、このコンセプトに賛同してくれた別部門のメンバーの協力を得て、15%サイズダウンしたバスティオンのテストを実施。15%だと「小さくてキュート」に終始してしまったので、その後サイズの調整を重ねて、今回の10%に至りました。
こうした経緯もあり、このバスティオンの調整は私たちチームにとっても特別です。「オーバーウォッチ」シリーズ史上最大の変更という訳ではありませんが、ヒーローのバランス調整にもさまざまな方法があることを、今回のサイズ変更でご理解いただけるかと思います。
バスティオンのサイズダウン(…というより「パワーアップ」と言った方が正しいかもしれませんが)のほかにも、さまざまなバランス調整をヒーロー別に用意しています。たとえば、ジャンカー・クイーンの「コマンディング・シャウト」には、味方に与える追加ライフを重視した調整が加わる予定です。このアビリティの軸足が味方の強化に移ることで、ジャンカー・クイーンのオフェンス系のタンクとしての実用性向上が期待できるでしょう。また、ファラのパーク「ヘリックス・シールド」とライフウィーバーのパーク「浄化の手」にも、ゲームプレイ面の快適性向上を目的とした調整が加わります。どうぞ、6月25日のシーズン17開幕にご期待ください。
それでは、今回はこれにて。いつも「オーバーウォッチ 2」をプレイしてくださり、ありがとうございます。引き続きマッチをお楽しみください!